【地域に聞く】収穫の喜びを体験できる農園に

<インタビュー>魚津市・むかいさんちの農園 園主 向中野 芳和(むかいなかの よしかず)さん

2017年6月、魚津市に富山県東部では初となるブルーベリー狩り体験農園がオープンしました。農園の園主は向中野芳和さん。

魚津市出身の向中野さんは、魚津市で育ち、大学卒業後は魚津市役所の職員になります。

ブルーベリー農園を開こうと市役所を退職したのが2013年。

それから4年の準備期間を経てオープンしたのが、「むかいさんちの農園」です。

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ブルーベリー色のめがねとポロシャツがとってもお似合いの向中野さん

きっかけは子どもの姿

向中野さんがブルーベリー農園を開こうと思ったきっかけは、楽しそうなお子さんの姿だったそうです。

「ちょうど4年程前にブルーベリー狩りに子どもを連れて行ったんです。その時収穫している子どもがとても楽しそうで。魚津市は果樹の生産が盛んではあるけれど、自分で採って食べるという収穫体験を大々的にやっているような農家さんはいなかったんです。収穫の喜びを感じられるような場を提供できたら面白いかなと思いました」。

ブルーベリーは、大型果樹に比べて簡単に収穫でき、その場ですぐに食べられます。また、収穫時期が夏休みにかぶるということで、子連れのファミリーにはぴったりの遊び場になります。

「大型の休みで、どこ行こう?となったときに、むかいさんちの農園近いから行こうか!という感じで利用してくれればうれしいなと思いますね」。

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大きな国道からすぐのところにある農園。駐車場も広くてアクセス抜群。
奥には富山湾とミラージュランドの大観覧車が

半分半分がちょうどいい

農業経験ゼロで始めた向中野さんですが、農園の管理は奥様と二人三脚。時々、農家である奥様のお父様が手伝いに来てくれます。

農園の営業日以外は、草むしりや剪定、落ちてしまった実を拾ったりといった作業をして一日が終わるそう。そのほかにも先輩農家さんのところへお手伝いに行ったり、果樹研究センターでも働いています。

しかし実は向中野さん、農園をする傍ら、魚津市のホテルでウェイターのお仕事もしています。

「半農半ウェイターです。半分半分ぐらいがちょうどいいんです。ブルーベリーを育てる時も、自分でやるところと、専門家に頼るところと、半分半分。トラブルがあったときに相談できるところがあるというのは安心です」。

柔らかな表情には、背伸びをしない向中野さんの人柄が表れているようです。

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ポール建てやネット張りはすべて自分の手で。
「自分の手でやれるところはやっておいたほうが、あとから手直しもできるから」

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ブルーベリーは30種類・約1000本。
品種によって異なる育て方(システム)を苗と一緒に"購入"しています

魚津だからこそ

魚津市で農園をやるメリットはどこにあるのか聞いてみました。

「魚津市では、『軒先販売』という文化が根付いているのが大きいと思います。農家さんが自分のところで採れた野菜や果物を家の軒先で販売しています。だから魚津の人は、当たり前のように農園にやってきて、当たり前のように買っていく。これも農園をやり始めて気付いたこと。
それに、果樹農家さんが多くて、みなさん応援してくれます。新しく始めるとなった時、宣伝してくれたり、あたたかく迎え入れてくれました」。

自然環境だけでなく、地域の文化や人も含めて魚津という土地は向中野さんにとって絶好の場所だったのです。

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魚津市は、桃、梨、ぶどう、りんごと果樹の生産が盛ん。時期になると道の至るところに果樹直売の看板が並ぶ

まず地域に貢献したい

もともと魚津市役所の職員として働いていた向中野さん。その時の意識が今も残っているといいます。

「まず地域のためにという意識はどこかであります。身近な地域の方々に喜んでもらえるようなことをしていきたい。

市役所時代に社会福祉課に在籍していたこともあり、近所の福祉施設の方に体験してもらったり、公民館の方とブルーベリーシロップ作りのワークショップを一緒に企画したり。『地域の体験農園』として楽しんでいただける場になればいいなと」。

次のシーズンからは、地元の特産である加積(かづみ)りんごジュースや、農園がある吉野地区のお米などの直販ができるようにしたいとのこと。

「ここに来て、体験してもらう、買ってもらうということが価値のあることだと思っています」。

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取材の日も福祉施設の方たちがブルーベリー狩りを楽しんだあと。
帰り際、うれしそうなお子さまたちの声が響き渡っていました

「地域の体験農園」として

初めてのシーズンが2017年8月27日に終了したむかいさんちの農園。

オープンしてから約2ヶ月、この1シーズンを振り返っていかがだったでしょうか。

「最初はお客さんが来なかったらどうしようかとびくびくしていました。オープンまで大変なこともあったけれど、お客さんが楽しそうな顔で帰っていくのを見ていたら、うれしさとほっとする気持ちでいっぱいで。苦労したことを聞かれても思い出せないぐらいですね」。

1年目は、来てくれたお客さんに完熟したおいしいブルーベリーを食べていただきたいという思いから、水曜日と日曜日の2日間だけの営業。

2年目にはお客さんの声にお応えして、土曜日と日曜日にオープンできるようゾーンを分けての営業にチャレンジしてみるとのこと。

「今年初めてやってみて、足りない部分もたくさん見えてきました。そういう部分をしっかり改善していきたいです」。

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体験農園として常に緊張感を持ってやっているという向中野さん。
圃場もきちんと整備されています

最後に、今後のご予定について聞いてみました。

「ブルーベリーシロップやジャム作りのワークショップをしたいです。あとは、ブルーベリーは秋になると紅葉するので、紅葉狩りも来年以降できるかどうか今年は観察します。春には花が咲くので、お花見会をする予定です」。

ブルーベリー狩り農園としてオープンする前にも、お花見会やシロップ作りのワークショップをご近所のみなさんと楽しんだそう。

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ブルーベリーの花。白いベルのような形がかわいらしい

1年を通して楽しめる場が地域にあり、そこに人が集まって新しい輪が生まれていく。

向中野さんは農園を通して、地域に新たな価値を生み出していこうとしています。

▶︎むかいさんちの農園ホームページ

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