夫婦共にハッピーでいられるか? 田舎暮らしの分岐点(あとがき)

こんにちは、えふでです。
今日もこのブログを訪ねて頂きありがとうございます。

「夫婦共にハッピーでいられるか? 田舎暮らしの分岐点」
前編後編と綴りましたが、
このお話はこの「あとがき」で締めくくります。

前編の冒頭で書いた通りちょっと重い話ですし、
かなりプライベートな内容ですが
ぜひ前の2つの記事と合わせてお読みください。


移住してから、もうじき1年となる私たちですが、
最初のこの1年間は、想像以上に大変でした。

心構えもしていたつもりですし、
甘い気持ちで移住を決断した訳でもありません。
しかし、出来る限り調べたり、足を運んで事前に準備をしていても
やはり実際にその地で暮らしてみないと分からないことが沢山ありました。
また、逆に分かりきっていたことなのに、
都会生活が染みついた身体には、ささいなことが思いのほかこたえたり...。

ひとつひとつ夫婦で乗り越えてきましたが、
常に夫婦が共にハッピーでいることはなかなか難しい一年となりました。

もちろん、辛いことばかりではありませんでしたよ。
感動したり、感謝したり、笑ったり...
そんな中で、なかなか田舎の暮らしに慣れずストレスになったことを
このあとがきに綴っておきます。
こうした私たちの経験が、
これから移住しようとしている方、移住を迷っている方にとって
少しでも参考になれば幸いです。

本題に入る前にひとつだけ書いておきますが、
移住は人生の大きな選択です。
生き方の選択と言ってもけして言い過ぎではないと、私は思っています。

ただ、
生きる上で何を優先するか、価値観は人それぞれ、皆違います。
移住の動機も、移住後に描く夢やライフスタイルも人それぞれ、皆違うはずです。
また、価値観や条件が近くても、
移住する土地、場所によって移住後の暮らしは全く違ったものになります。

参考にしてくださいと言いながら、
こんなことを言うのはおかしいのですが、
ここに書いてあることが全てではありません。
特に、私たちが田舎暮らしで感じたストレスが、全ての人にそう感じるわけではありませんし、
何が楽しみになるか、何が苦になるかは人それぞれだと思います。

ですから、そのことを前提に読んでください。

移住前には分からないことだらけで、
分からないことが漠然とした不安になるものです。

「田舎暮らしは楽しいことばかりじゃないはずだ。」
「どんな面倒や、どんなとことがストレスになるのか、マイナス面も知っておきたい。」
そんな方に、

「ああ、人によっては、地域によっては、こんなことあるんだな。」
というふうに参考にして頂きたいと思います。


ーーー


さて、ようやく本題です。

移住に際して、私たちの生活が苦しかった大きな要因として
経済的な側面が大きかったことは主に後編で書いたとおり。
この一年で妻は幾度となくホームシックになりました。
「東京へ帰りたい」とこぼすこともしばしば。
生活面での不安以外には田舎暮らしのこんなことが大変でした。

・自治会の行事が想像以上に多くて大変。

 4月/水路掃除、4月/道路掃除、4月/春のお宮掃除、
 5月/お祭り、5月/ごみ当番、
 6月/体育大会(男性はソフトボール/女性はソフトバレー)、
 6月/山林整備、9月/秋のお宮掃除、11月/体育大会(男女共に卓球)、
 1月/新年参拝、2月/区の婦人部温泉旅行、2月/班の婦人部新年会、
 2月/区の婦人部総会、
 3月/区の総会、3月/班の総会
 ...こんなにあります。

 ほとんどの行事は世帯で一人出席すれば良いのですが、
 最初の年だけは、
 地域を知るために、地元のみなさんと馴染めるようにと
 夫婦ふたりで参加しました。

 (婦人部の行事を除き、仕事の都合や体力的な問題で
 どちらか一人で参加となった行事が1回づつありましたが
 それ以外は全て夫婦揃って参加しました。)

 私たちと地域の方、お互いに顔を覚える機会となりましたし、
 自治会の活動がどんなものか、
 田舎の集落で暮らすということがどんなことか体験できた
ので、
 大変有意義でしたが、
 もともと真面目な性格の妻はかなり頑張り過ぎて疲れが出ました。

 また、
 移住して数日後に開催された班の総会で
 いきなり体育係を仰せつかり

 何も分からぬまま、年二回の体育大会(区対抗戦形式で開催)に臨みました。
 主な役目は班内の出欠席確認だけではありますが、係ゆえ、
 運動が大の苦手な妻も体育大会(ソフトバレーと卓球)を
 欠席するわけにはいかず、
 妻は苦手意識に加えて足を引っ張り迷惑をかけないかと気にして
 本当に大変な思いをしながら汗をかいて頑張りました。

 
ちなみに、佐久市には自治会(区)が240あるそうです。
 区の中はさらに数班に分かれて構成されています。
 そして年間の行事の数や頻度は、その自治会ごとにみな異なります。
 どこに住むか(どの区に移住するか)でかなり差があるということです。
 他の区の人達に聞いてみましたが、
 佐久の中でも私たちの住む区はかなり地域のつながりが密接で
 行事が多い地区だと分かりました。

 こればかりは住んでみるまでわかりません。
 住む場所は大抵、物件の条件(価格や広さ、立地、陽当たりなど)や
 周辺環境で決めますよね。私たちも自治会の行事の詳細までは考えてみませんでした。


・訪ねてくる人が多くて大変。

 都会のマンション暮らしでは、ご近所付き会いは皆無でしたが、
 回覧板を届けに、時には野菜を届けに、ご近所の方がやって来たり、
 同じ移住者の同士の交流なども含めて、割と頻繁に人が訪ねてきます。

 もちろん、有り難いことも沢山、嬉しいこともいっぱい、
 みなさん本当にいい人ばかりで私たちは恵まれていると感じていますが
 地元の方はいきなり玄関を開けるので、最初はちょっと怖くなりました。(笑)

 私たちは都会暮らしの習慣で必ず鍵をかけますが、
 田舎では鍵をかけない家も多く、玄関を開けて挨拶します。

 一年経って今ではそんなことはなくなりましたが、
 最初は開いてるものと思ってガチャガチャされて驚きました。

 もちろんみなさん全く悪気はないんですけどね。
 東京ではマンションの3階で暮らしていました。
 密室度も高く、外からも家の中はほぼ見えません。
 移住して田舎の一軒家で暮らすと、家の中からも外からも、訪問者がよく見えます。
 我が家も塀や垣根で敷地内を隠すような造りじゃありませんし、
 そういう面でも慣れないところがありました。

 また、移住したことで東京の友人たちがたくさん遊びに来ました。
 
懐かしい再会も多く、移住した私たちを祝いに来てくれたりと、
 特に最初の年ということもあって、かつてないめまぐしさを経験しました。

 私たちはもともと
 自宅に大勢人を招いてわいわいやるような暮らし方をしてこなかったので、

 来客の多い暮らしは、賑やかで楽しい反面、
 親しい間柄でも人を招くとなれば、掃除や準備、片付けなど
 それなりに気を遣うのでこうしたことも家内には負担をかけました。
 東京の狭いマンションから、一気に桁違いで家が広くなったので、掃除もひと苦労。
 毎日生活の不安を抱えていればなおさら、
 これはこれで大変な面がありました。


・東京で何気なくしていたことが出来ず、喪失感がじわじわと。

 都会でなんとなくしていた些細な事柄が田舎では叶わない...
 そんな状況が、
自分でも「こんなはずでは...」と戸惑うほど
 意外なストレスになって来ます。

 お気に入りのシャンプーがどこへ行っても見つからない。
 何かのついでに目的もなくぶらぶら買物していた時間がもてない。
 CMが地方の情報ばかり。
 電車やバスの中吊りや広告で時流を感じられなくなる。
 品揃えが豊富な本屋で何となく過ごす時間が恋しくなる。など

 これ、そのまま読むと、
 「田舎なんだから当たり前だろ!」
 「買物なら何でもネットで手に入るだろ!」
 「そんな事、はじめから分かってたはずでしょ!」
と思うでしょう。
 私たちもそう思っていました。

 しかし、特に意識もしていなかったような日常のささやかな事柄が、
 実際に失ってみて初めて身に浸みてこたえてきます。
 そんなもの無くても平気、田舎だし、当たり前。

 頭でそう分かっていても無性に恋しくなってくるのです。
 女性は特にそうかもしれません。

 妻は車が運転出来ません。その事も大きいですね。
 自営業で基本的に私も家に居るので、いつでも車で出掛けられますが、
 やはり家の目の前から数分おきにバスや電車があって、
 いつでも気軽にどこへでも出掛けられた東京のようにはいきません。
 何もかも移住前には当たり前の事として分かっていたことなのにと、
 妻自身も自分で戸惑うほどに、こうしたことが少しづつ募って
 田舎の閉塞感となり、ホームシックへと繋がりました。

 車の免許に関しては、
 50才過ぎてから移住後に免許を取ったなどという話はよく聞きますし、
 皆さんそのように勧めてくれます。
 ただこれも個人差があります。
 家内は極度に緊張するたちなので
 私から見てもやめたほうがいいと思っています。

いかがでしたか?

「なんだよ、そんなこと?」と思った方。
「うわぁ、そうなんだぁ〜」と思った方。
「私は絶対大丈夫!」と思った方。
「私、(あるいはパートナーが)かなり心配...。」と思った方。

人それぞれ、感じ方もいろいろだと思います。
前述の通り、何が苦になって、何が楽しみになるかは人によって違います。

私自身は後編でも触れたように
仕事で東京にも出掛ける機会も多いですし、
移住後の暮らしでここに挙げたストレスはほとんど感じません。
こうした夫婦間のギャップも、お互いに辛いところです。
妻にしても、生活が安定していて出費を気にせず、いつでも気軽に東京へ行って
買い物したり、好きなだけ美術館や書店を巡って楽しむ。
そんな暮らしぶりが実現できていれば、自ずと田舎の魅力に目が行き
田舎暮らしの気持ちの持ちようも変わってくるように思います。

とは言え、田舎暮らしは楽しいことだけでは済まないのも事実です。
ここに書いた以外にも、冬は厳しい寒さに耐え、雪かきもしなくてはいけません。
春から秋には際限なく生えてくる雑草の草刈りに明け暮れなければなりません。
そして、人とのつながりは、時に面倒でストレスになることもありますが、
それでも最後にはやっぱり人と人の助け合いで生きていくものだと私は思っています。
これは田舎に限ったことではありませんが、
自然が厳しい田舎では、身近な者同士の助け合いは必要でしょう。

前編でも書きましたが、
ホームシックでよく東京へ帰りたくなると、妻が打ち明けると、
ここが実家だと思いなさい、いつ来てもいいから。
私がお姉さんだと思っていいから。
...そんな事を言ってくれる方が居ます。
私にも、自家製の野菜やお米、味噌を沢山持たせてくれて、
田舎のお母さんのとこに来たと思いなさい。といつもいつも言ってれる方、
生活が大変だと知って、少しは良いことあるようにと、年明けに達磨を届けてくれた方、
炊き込みご飯を作って持って来てくれた方、お昼や夕食に夫婦で呼んでくれる方、
野菜や、リンゴを届けてくれる方、最近仕事はどうだいと声をかけてくれる方がいます。

親でも親戚でも、なんでもなく、
今までお付き合いがあったわけでも無い、私たちに対して
一年足らずの間にこんなにも良くしてくれる地元の方たち、
そしていつも気にかけてくれる移住者の先輩方がたくさん居ます。

私たちが戸惑ったり、時にはちょっぴり迷惑に思っても
それを上回るほどの思いやりが、あちこちから届くのです。
これには感謝しかありません。

この先、私たち夫婦がこの田舎で、共にハッピーに暮らしていけるのか、
それが何年続けられるのか、まだわかりません。
それでも私自身は移住を後悔していませんし、
この家、この集落を選んだことも良かったとそう思っています。

今でも時折ホームシックになる妻には、
雪を被っても陽が当たって雪が溶けて顔を上げ、
霜が降りて凍てつくとまた陽が当たってほぐされて、
そんな風に少しつづ春を迎えて明るく咲く福寿草のように
自然とこの地に根付く日が来ることを願っています。

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移住して新たな土地で安心して暮らすには、

やはり経済面での安定がかかせないと言うことも痛感しています。
いろいろあって、私たちはこのタイミングで移住を決断した訳ですし、
クリエイターゆえの苦しみもありますが、そこは時間がかかっても頑張るしかありません。

まずは、この冬を乗りきって
そして春には、昨年庭に植えた大きな桜の木を見上げ
夫婦二人揃って笑顔でお花見したいと思います。


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このお話はこれで終わりにします。

長い長いお話を最後まで読んで頂きありがとうございました。
3編全て読んでくれた方には重ねて感謝です!

そういえば...
この話のきっかけは田んぼの話でしたね!
私自身、もう、遥か銀河系の彼方の出来事のように感じます。(笑)
移住してもうじき一年になろうというこのタイミングで
何かこうして振り返ってみる必要があったのかも... なんて思ったり。

いつか、みなでわいわい田んぼも出来たらいいなぁ。

はい。
話は尽きませんが、
もうホントに終わりにします。

苦労話だけでなく、明るいテーマや楽しい体験、感動したこと感心したことなど
書きたいことはまだまだあります。
それでは次回をお楽しみに!

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えふで

えふで

長野県佐久市

東京杉並に長く暮らしていましたが、山の見える自然豊かな土地での暮らしを求めて2016年3月に50才で信州佐久の里山へ移住しました。 目下、絵本作家を目指すグラフィックデザイナーとして田舎暮らしに奮闘中。 家族は妻と愛犬バティー。築35年の空き家を改装した家で草木と田畑に囲まれて暮らしています。 田舎暮らしを検討中の皆さまのお役に立てるよう、移住先探しから移住後の暮らしまで、絵と写真とデザインを駆使して情報発信していきます。 ブロガー名の「えふで」の「え」は絵・縁、「ふ」はフォト(写真)・ふるさと・ふれあい、「で」はデザイン・出会いの意味を込めました。どうぞよろしくお願いします。

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