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平家伝説ゆかりの里
徳島・上勝 阿波晩茶で天下狙う

20_上勝_武市.JPG▲上勝阿波晩茶の作柄状況を確認する髙木さん
=徳島県上勝町生実で2017年11月

徳島阿波おどり空港から南へ車を走らせること約1時間半。深緑に囲まれた里山、上かみ勝かつ町ちょう。人口1600人の四国で一番小さな町である。「阿波晩茶」は、平家の落人伝承に彩られたロマンあふれる自慢の特産品だ。

平安時代末期、平家の重臣、横尾権守が唐天竺で「妙薬」として学んだ製茶法でつくられ、平家滅亡でこの地に落ち延びた横尾によって伝授されたという。となれば、約800年の歴史だ。「番茶」ではなく、「晩茶」である。「番茶」が新芽の柔らかい葉を使っているのに対し、「晩茶」は年に1度、葉が一番分厚い時期に摘み取られた茶葉が使われる。

生産者の大半が60歳以上。夏まっさかりの7月に茶摘みが行われる。茶葉は熱湯で湯がかれその葉を揉んで、木桶に漬け込み発酵させる。さらに3日間天日干ししてようやく完成する。こうした約1カ月半にわたっての重労働が、後継者不足に拍車をかける。生産農家の美馬由美さん(67)は「現在の生産量は約10トン。50年前に比べて半減している」と嘆く。

だが消費者の健康志向の高まりで阿波晩茶に注目が集まろうとしている。徳島大学特任教授(医学博士)、福井裕行さん(69)が「上勝の晩茶には、花粉症やアレルギーを抑制するピロガロールという化合物が含まれる。抗ヒスタミン剤と一緒に上勝晩茶を飲むことで、その症状を大幅に抑制すると考えられる」と阿波晩茶の効能を説いたのがきっかけだ。

そうした動きに若手の晩茶生産農家たちは「上勝阿波晩茶ブランド化準備委員会」を結成した。代表の髙木宏茂さん(41)は徳島市出身で、上勝晩茶に惹かれて晩茶農家に転身した。それだけに夢はぐんとふくらむ。「上勝晩茶の伝統、技術、文化を次の世代に継承し産業として成り立つように育てていきたいです」【武市泰徳、写真も】

20_上勝_武市.JPG執筆者:武市泰徳
1981年10月上勝町生まれ、上勝育ち。上勝町は阿波晩茶で有名な町。商工会青年部長として地域創生、地域イベントの指揮をとる。消防団を務め地域の防人として活躍。

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