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若き夢 結実の日本酒
石川・能登 起「農」家の決意

11_志賀_小波_記事内.jpg▲夢をかなえるためには、地道な下準備が大切だ。荒起こしと呼ばれる作業に汗を流す裏さん
=石川県志賀町徳田地区で2017年12月3日

NHK連続ドラマ「まれ」の舞台となった石川県能登半島。伝統的な農林漁法が日本初の世界農業遺産として認定(2011年)された地でもある。だがその一方で、農家は高齢化・後継者不足で悩む。そうしたなか、石川県志賀町には、都会からUターンして、12年3月に稲作を中心とした農業生産法人「株式会社ゆめうらら」を設立した青年がいる。裏貴大さん(31)だ。

裏さんは09年に神奈川大学を卒業後、地元で3年間サラリーマンを経験した。そんな折、11年の東日本大震災で、被災地の復興支援に向かった。その時の経験で「物がなくても我慢すれば大丈夫だが、食べ物がなくなると生命の危機になる」と気づき、食料を生産する企業は必要不可欠だと一念発起した。

当初は単に持続性のある企業であればいいと思っていたが、ある「再会」から経営者として一つの目標が生まれた。その人物とは、高校時代の同級生で、能登町で数馬酒造を経営する数馬嘉一郎さん( 31 )。数馬さんから「これから能登をどうする?」と言われた時に、数馬さんは、自社だけでなく能登地区全体のことを考えて経営していることに「ハッ!」とした。

能登の未来を語り合い、裏さんが後継者不足などで耕作放棄されていく農地があると伝えると「その土地で、数馬酒造の酒米を作ってくれないか」と言われた。その言葉をきっかけに「故郷の里山を、農業を通して守っていこう」と裏さんの思いが変わった。

そうして誕生したのが数馬酒造で販売されている日本酒「竹葉(ちくは)」。ゆめうららで生産された酒米から作られた。2人の若者の想いは実を結び、形となった。能登地区再興の喜びの美酒を酌み交わすのは、そう遠い日ではないだろう。【小波久喜、写真も】

株式会社ゆめうらら
石川県羽咋郡志賀町仏木ヵ-2
0767-37-1511
http://www.yumeurara.co.jp/

11_志賀_小波.JPG執筆者:小波 久喜
1978年6月5日生まれ、志賀町はころ柿の里で有名な町。地元青年団、地元区長、志賀町商工会青年部長として、地域創生、町祭を始め、地域イベントの陣頭指揮を執る。その他、消防団や防災士を務め、地域の防人として活躍。

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