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1400 年の歴史に新風を
宮崎・国富 剣柄稲荷神社

26_国富_日高_記事内.jpg▲剣柄稲荷神社の宮永宮司
=宮崎県国富町本庄で2017年11月

日本のひなた宮崎県。その真ん中に位置するのが国富町(くにとみちょう)である。多くの古墳群の遺構が残り、その中に家屋が並ぶという全国的にも珍しいまちだ。シンボルの一つが、古墳の上に鎮座する剣けんのつか柄稲荷神社。約2000年の歴史を持つ古社の年初行事「初午祭(はつうままつ)」に、商工会青年部などが協力して新たな「伝統」を創生する試みが始まっている。

神社が鎮座する剣柄古墳は古代の英雄ヤマトタケルが自身の剣を埋葬したと伝わる。その稲荷神社の初午祭はもともと、五穀豊穣の神様であるお稲荷様の誕生を祝い、衣食住の安泰を願う祭事として711(和銅4)年から始まった。当時から人々は境内のスギの枝を折り、家の庭に植えた。育てば吉とされる縁起物だったという。スギがなくなりそうなのに目を付けた商人たちが苗木市を始めた。「それが剣柄稲荷神社の初午祭の風物詩となった」。82代宮司の宮永保俊さん(89)はそう話す。

宮司就任は1992( 平成4) 年のこと。だが時代の流れなのか、参詣者は年々減少する。宮永さんは一計を案じた。力餅運びの祭事だ。台座とお餅合わせて100キロ前後。触るだけでも厄払いになると話題を呼んだがやがて廃れていく。

その事態に、協力を申し出たのが町内の青年団体。2016年から剣柄にちなんで剣道の奉納試合や、グルメ市などのイベントを始めた。宮永さんは「変えるべきは変えながら、いにしえの時代から続くこの歴史と文化を伝え、継承していくのが使命。青年部の風が新たな初午大祭を作ると思うととてもうれしい」と口元を緩める。

今年3月25日の新生3回目となる初午大祭では、町役場も協力、古墳を活かして町全体を歴史博物館に見立てた「フィールドミュージアム」も併せて開催される。【小川真由、写真も】

本庄稲荷神社
0985-75-2259

26_国富_日高.JPG執筆者:小川 真由
1980年7月23日生まれ、宮崎市育ち。26歳から国富町へ移住。商工会青年部に入部。商工会青年部部長、まちづくり委員会等の地域創生に尽力している。その他、宮崎市商工会議所青年部、法人会青年部会理事

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