地方移住を検討している方へ、田舎の暮らし方ブログ

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地方だからできる教育スタイル。地域の資源と学習のコラボレーション。

こんにちは。田舎の暮らし方編集部です。

昨年末に「地方の教育」にスポットを当てて情報を集めていました。情報を集める前は「地方でも教育の質は落ちませんよ」という事例を想定していたのですが、逆に「地方だからこそもっと優れています」という声も上がってきました。(私も勉強不足でした)。

「クラスが小人数だからこそ、都心部と同じ資源でも小人数で分けられる」のは一つの典型的なメリットでしょう。ALTの先生との新密度が上がり英語教育が進むとか、対象の全生徒に海外研修の補助金を出せるとか、大人数の学校では考えられないような事例がたくさんあるようです。

また、今回ご紹介する事例のように、町の大切な資源を「地域学習」として活用するだけではなく「学力向上」の手段としても活用している地域があったり、行政としての取り組みを学習の場にも持ち込んだりと、「地方だからこそできる教育」をさらに磨いた事例もあります。


徳島県上勝町

上勝町には保育園、小学校、中学校がそれぞれ1つずつあります。学校教育はもちろん少人数で質の高い教育を行っていますが、学校を取り巻く中に多くの学びの場が設けられています。上勝町では「知っている」ではなく「やったことがある」子どもの育ちを実践しています。

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【英語教育】
通常複数校掛け持ちをする英語活動のアシスタントティーチャーである外国人ALTの先生ですが、上勝町の場合は学校が少ないため1日中学校にいます。
・保育園...週1回
・小学1年生からの英語活動及び5年生以上の英語教育の実施。
※平成29年からはさらに1名英語活動の支援の先生が入っています。

【基礎学力定着・向上のための町民無料の公営塾】
「アララギ学習会」という、町の小中学生が無料で通う事のできる町営の塾があります。学習した内容でわからないことがあったときはその日のうちに解消できる仕組みがあります。
小学校:日時 平日木曜日以外毎日
中学校...日時 月曜・水曜・金曜
※いずれも場所は学校内、講師は外部より招聘

【各種検定の補助】
中学生で英語・数学・漢字それぞれの検定を受検する場合、費用の補助を行っています。

【IT教育の一環としてのタブレット】
アララギ学習会では社会の自主学習の調べものや、数学の基礎問題を数多く解く場合などにタブレット端末を使った学習を行っています。

【フィジー共和国への留学】
中学1年生以上の希望者を対象に1週間から2週間のフィジー共和国への留学を行っています。経費の半額を町が負担して、多くの事を吸収することができる時期に視野を拡げてもらおうと考えています。この3年間で7名の中高生が留学し、多くの事を学び英語を使う楽しさを体験してきました。

【エネルギー問題への取り組み】
上勝町はごみ収集車も走っていない、収集場はたった1か所しかありません。しかも分別は45種類!2020年までに埋め立て焼却ごみをゼロにすることを目指す「日本で初めてゼロ・ウェイスト宣言をした町」です。
小学1年生で植樹をし、中学生ではエネルギー問題学習の一環として、山に入って1人1本木の伐採を行います。切った木の一部は中学校の校舎に入っている薪ストーブの薪として使用されます。自然の中で、地球のエネルギー問題についても考える取り組みが町にはあります。

岩手県洋野町

【海洋教育の取組を学力向上へ】
洋野町では全小・中学校(小学校8校、中学校4校)において東京大学と連携し海洋教育に取り組んでいます。そのうち、小学校1校は平成27年度から文部科学省の「教育課程特例校」の指定を受け、海洋科として教育課程に位置付け実施しています。

海洋教育は、町の大切な資源である「海」を「地域学習」の題材とするだけではなく、学力向上の手段としても有効な学習材であるととらえ、取り組みを進めています。

学区が海に接する7校は「海の恵み」、「海に生きる人々」などを、海に接していない山間部の5校は、「山と海とのつながり」、「自然のしくみや生態系」などをテーマに探究的な学習を展開しています。

学力向上につながる大きな柱は、「学んだことを大勢の前で発表する」ことです。年1回町内全学校が一堂に会し、学んだことを発表し合う場を設けています。また、海洋教育サミットの全国大会及び東北大会でも発表しています。

自分たちが調べたことをわかりやすく伝える表現力、質問に対して適切に回答するための深い探究と知識など、学習の基礎となる力を育成しています。

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多様化する子供達の将来において、本当に役に立つ力とは何でしょうか。名前のある大学を卒業することに、20年後も同じような価値があるのでしょうか。そもそも、大学入試の制度はどうなっていくのでしょうか。偏差値で測れない力が試される時代に入っていくとすれば、どのような力を身につけておくことが必要なのでしょうか。

子供の教育を最優先に考えるか、他の事情を優先するかは家庭によって異なってくると思いますが、少なくとも「地方は教育が遅れているからNG」と決めつけるのは時代錯誤と言えそうですね。これも一つの参考情報として、ぜひ移住の検討を進めてみてください。

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