地方移住を検討している方へ、田舎の暮らし方ブログ

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「教育格差がある」と決めつけるのはもう古い。地方には地方の教育の良さがある。

こんにちは。田舎の暮らし方編集部です。

先日、「地方の学校は少人数でメリットも多いが、人数以外の部分はどうなっているのか」という記事を投稿しました。改めて地方の教育の取り組みについて調べていくと、まず目立つのは「自然」「ふるさと」といった言葉です。次に「英語教育」「ALT」「サイエンス」といった言葉もよく出てきます。その他、地元の歴史や産業をテーマにした学習や体験、給食を通じた食育といった内容が目につきました。

一方で、一般のユーザーが「地方の教育」にどんなイメージを持って検索しているかを調べると、「教育レベル」「教育格差」「教育費」という言葉がよく使われているようです。ネガティブな印象がまだ強いことがうかがえますね。

価値観が多様化している現代において、「固定観念」は一番の敵です。ちゃんと調べもせずにネガティブなイメージだけで「田舎の教育は遅れている」「格差がある」と判断するのは、もったいないだけでなく、せっかくの可能性を自ら潰すことになりかねません。「移住はしたい。けど、子供の教育が心配。」という点がネックになっている方のために、今回は地方でも積極的に教育の質の向上に取り組んでいる事例をご紹介します。


茨城県つくば市

【市内の全ての中小学校で小中一貫教育】

平成24年度から、つくば市では全ての公立の小学校・中学校が一貫教育になりました。これにより9年間の教育課程を編成し、より多くの教員の目で生徒を見守ることができるようになりました。近年問題視されている「人間関係の希薄化」「不登校児童生徒の増加」「中1ギャップ」を補うことにも効果があるほか、中学校の教員が小学校高学年の専門教科を担当することで専門性の高い授業が実施可能になり、児童生徒の能力を伸ばすことにつながります。
既存の小学校・中学校が、「○○学園」という形で編成されています。施設の面など運営も熟考に熟考を重ねて実施にいたったようですね。

http://www.tsukuba.ed.jp/~tsukubasummit/?page_id=55

【9年間のカリキュラム「つくばスタイル科」の創設】

環境、キャリア、歴史・文化、健康・安全、科学技術、国際理解、福祉という7つの内容を、【課題を見つける(in)】【情報を集める(about)】【何ができるか考え、発信する(for)】という3つのステップで学習する【つくばスタイル科】というカリキュラムが創設されました。小中学校の9年間を一貫して、次世代型スキルを身につけるためのカリキュラムです。

愛知県設楽町

【町立の中学校に在籍する3年生全員がアメリカへホームステイ】

国際的視野と国際感覚を育成し、生まれ育った郷土を振り返る契機とするために、町立の中学3年生全員をアメリカへ派遣しています。(6泊8日、平成29年度実績)。また、派遣だけではなく、実施翌月にはお世話になったホームステイ先の中学生をホストファミリーとして受け入れるようにペアリングをしています。個人の費用負担はなんと約60,000円です。

そのほかにも設楽町では、町内の2つの中学校と1つの高校が連携して、先生も生徒も交流を図り、6年間をとおして一人の生徒をしっかり育てていく土壌があります

【愛知県設楽町】キャプチャ.JPG

宮城県南三陸町

【公営の学習支援センターで個人の学習を強力サポート】

県立志津川高校では校内に学習支援センターを設置していますが、運営費はなんと町が全額負担しています。センターには3名のスタッフが常駐していて、問題の解き方だけでなく学習の進め方なども相談に乗ることができるほか、タブレットやパソコンを活用したICT学習でwebに公開された予備校講師の授業を受けることができる仕組みとなっています)。常駐のスタッフは留学経験者や教育業界の経験者など、学習にも進路にも適切なアドバイスができる方です(ただのボランティアではありません!)。映像授業は某大手予備校講師によるもの。センター試験対策、公務員対策など幅広く対応しているため、生徒一人一人にあった学習が可能。毎日20~30名の生徒が通い、終了時刻の21時まで集中して取り組んでいます。

どこに住んでも質の高い教育を受けることができる、ICT教育を活用した事例ですね。こちらは財源として「ふるさと納税」の寄付金を活用しているそうです。

【宮城県南三陸町】画像.jpg

広島県三原市

【全校生徒11人の小学校に、ALTの先生が週4でやってくる】

三原市立鷺浦小学校は本州の三原港から高速艇で約13分の「佐木島」という離島にある小学校ですが、ALTの先生がなんと週4でやってきます!11人の児童で先生に触れ合うことができるので密度は都心とは比べモノにならない濃さですし、日常的に英語が飛び交う環境を実現しています。(月~金で週5のうち、週4って、ほぼ毎日ですよね)。この貴重な環境に魅力を感じて島外から通っている児童もいるぐらいです。
※鷺浦小学校は「特認校」なので、一定の条件を満たせば(市内在住の方であれば)入学することが可能なのです。

鷺浦小学校では国際交流も盛んで、スカイプを利用して海外の小学校との交流や島に訪れた外国人とも交流を図っています。

【広島県三原市】キャプチャ_2.JPG

大分県宇佐市

【小中高12年間一貫したカリキュラム「地球未来科」】

大分県宇佐市の安心院(あじむ)・院内地域では、県立安心院高校を核とした連携型小中高一貫教育(小学校7校、中学校2校)に取り組んでいます。文部科学省の「研究開発学校」の指定を受け、新教科「地球未来科」を導入し、地域特有の文化や歴史、自然などについて学びながら、論理的な思考と英語を使ったグローバル社会へ対応できる児童生徒の育成を目指しています。高校教師⇒中学校、中学校教師⇒小学校などの相互乗り入れ授業が行われているのも特徴です。

県立安心院高校
http://kou.oita-ed.jp/ajimu/index.html

【大分県宇佐市】キャプチャ_2.JPG


教育委員会の熱意を感じる大掛かりな施策もあれば、少人数だからこそできるようなうまいやり方まで、様々な取り組みがあるようです。子供達への教育は、基本的には地域の中にいる人に向けたものなので、地域外に積極的にPRする性質のものではないかもしれません。だからこそ質の高い教育や、そこに情熱を注ぐ教育者の思いが表に出てこないという現実があります。最初から偏見を持つのではなく、しっかりと調べることの重要性を私自身改めて感じました。

カリキュラムなどの「コンテンツ」と、自然豊かで少人数の「環境」、この合わせ技によって都心とは違う成長のしかたが期待できるかもしれないですね。現在の子育て環境に何かしらの疑問を感じているとしたら、一度広い視野を持って地方に目を向けてみるとよいと思います。おさえつけられていた何かが解放されることで、なかなか出なかった芽から大きな花が咲くかもしれないですよ。

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