醤油絞り職人という仕事~失われつつある伝統を絶やさない為に~

こんにちはー。はなざわです。
ご無沙汰しております。年度末&年度明けってなんだか忙しくない私まで忙しい気になってしまいますね!
パソコンを新調しましたところ、フリーズしまくりで私ブチ切れ\(^o^)/
穏やかに過ごしたいため、結局古いほうのパソコンに戻しました。慣れ親しんだ仲ですものね。

さて今日はお醤油についてのお話。
先日、隣町"鴨川市"にて「醤油搾り」を体験して参りましたのでレポート★

醤油搾り職人とは

ここ数年、醤油業界がアツいですね!

生絞り醤油、刺身醤油、牡蠣醤油、卵かけご飯専用醤油なんてものも。

"醤油を制するものは日本食を制する"

って言葉は今私が勝手に作った。(てへぺろ)

そもそも醤油って「搾る」って表現するものだってことにびっくり。

今の時代、スーパーに行けばボトルに入ってきれいに陳列されてるのが普通ですもんね。
でも私のおばあちゃんが子供の頃ってお醤油もお味噌も、自分の家で作ってたんだって。

絶滅危惧種、"醤油搾り職人"

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醤油搾り職人の木村さん。
木村さんが醤油職人の道を目指したのは今から4年ほど前。
その理由はとってもシンプル、

"自分がやれば醤油搾り文化は無くならないから"。

おっしゃる通り。一人でも続ける人がいればゼロにはならない。
醤油搾りに限った話ではなく、今、日本各地で培われた大切な文化が失われつつある、そんな事みんなわかってるんだけど
どこかで自分にはどうしようもできない事だと諦めてる。
でもただやればいい、文化を途絶えさせないってほんとシンプルな事だったんだー。

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醤油は"槽(ふね)"から出てくる!


さ。醤油搾りの会場になったのはこちら。
カフェ夜麦(よもぎ)

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↓手書きの看板って温かみがあります。

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趣のある古民家を改装して作られた、焼き立てパンとコーヒーが人気のお店。

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長狭街道(ながさかいどう)沿いにある鋸南と鴨川のちょうど間くらいにあります。

↓小さな小山を登って行ったところにあるので気を付けて見てないと通り過ぎてしまうかも。

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お天気にも恵まれ、ヤギもオチビらもうれしそう。

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↓Cafeの外の母屋?が醤油搾り会場。

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↓これが醤油づくりに必要な道具たち。
見たことないもの、見慣れないものだらけ。

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これが噂の醤油槽(ふね)


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これをどう使うのか?
どうやって搾るのかって?
順に説明していきましょう!

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醤油の母は"大豆"

醤油ってそういえば大豆から出来てるんだよね。

蛙とおたまじゃくしくらいミテクレが違うもんだからすっかり忘れてたよ。
さー、それでは醤油の母をご紹介しましょう。

母、どーぞー。

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母、強烈ですね!

本当に母(大豆)なのでしょうか?

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はい、母はどうやら1年間昼寝(熟成)をしてこのように進化を遂げたようです。
この中には大豆のほかに塩、それから麹菌、麦も入っております。
発酵は長ければいいものでもなく、短くてもだめ。丁度この1年という期間が長すぎず短すぎず美味しい醤油のコツ。


ちょこっと味見。

やばい、体内濃度がおかしくなる!

喉が焼けるようなしょっぱさ。
当然。塩分めっちゃ凝縮されてますから。(笑)


だけど、ほんのり甘い。
何だろう、ワインみたいな味わい。

↓ここに窯で沸かした熱湯をバケツで加えていきます。
ちなみにこの窯がどんだけ大きいかと言いますと、窯に立てかけてあるお玉、これ、雪平鍋ですから(笑)

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↓バケツでお湯を入れていきます。

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少し混ぜてみましょうか。

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とろみがついてきました。
何も言わなければインドの豆カレーに見えないこともないです。

さあ、搾り始めますよ!

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醤油は"搾る"もの

醤油はもともと液体ではなく"個体"ということを学んだだけでも素晴らしい進歩。

では大豆からどのようにして液体へと進化していくのか、見ていきましょう。

まず、"ふね"にこの布袋をセットします。

ほんのり茶色。この色は醤油搾りを繰り返すうちに自然と染みついてきた色なんだって。

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↑この出っ張ってる釘に袋をひっかける事によって一人でも手際よく作業が出来ます。

フネの構造に無駄な装備は一つもなく、

そう、それはまるで醤油界のiPhone!!

先ほどお湯と混ぜていい感じにとろみのついた豆カレー風"母"ミセス大豆をこの醤油袋に入れていきます。
いれ方にもコツがあって、柄杓で2杯分くらい。その醤油袋を25袋分、参加者で交代しながら作りました。

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この醤油袋を平らにならして、船の中に並べて行きます。
この船内側の溝もサイズも、最高の醤油を絞るために考えられた構造&サイズなんですって。

そして上記写真、左側に映ってる三角形のステンレスのしっぽの部分。
↓拡大してみましょう。

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この造りにもちゃんと意味があります。

↓以下、写真で説明しましょう。

お湯で中和した大豆を船にセットした醤油袋に入れていく工程。

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↓樽から醤油袋へ入れていく段階で、

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↓ほら!!ココ注目!

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こぼれるでしょ!?ほら!
それをしっかりキャッチし、樽へと戻していきます。

素晴らしき循環型社会!

醤油一滴さえも無駄にしない、そんな知恵が込められてるんですね!

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昔の搾り方・今の搾り方

醤油搾りって私はてっきりガーゼのようなものにくるんでギューって絞るのかと思いました。
そのやり方も、ある!
実際、昔まだみんな家で醤油を絞ってた頃はそうやってガーゼ等を使ったり、ザルに発酵大豆をいれて上から重石などで圧を加えて絞ってたそうな。


その点、今の時代はいいね。
文明も発達してもっと手軽に醤油が搾れるようになりました。


↓これが圧をかける機械。
こんなに小さなカラダなのにトン単位の圧をかけられるんだって!

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↓どんどん圧をかけていきましょう。

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↓圧で大豆がギューっと透き通っててまるつぶされて、醤油が搾り出されてきました。

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↓どんどんたまってきました。
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↓たまった醤油はこちらの窯へと移していきます。
牛乳のパッケージをよく見ると殺菌何とかってかかれてる、あれとおんなじことを醤油でも行います。
勿論そのまま舐めても大丈夫だけどね。

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最後の一滴が一番美味

見てこの滴。

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醤油袋に圧がかかり、まさに絞り出されてる瞬間。
圧はかけるほど大豆が圧縮されて、一番最後の最後のところに旨みが含まれてる。
その旨みを余すことなく抽出します。

もう醤油飲みたくなるよね、この写真みてると!

※実際醤油ガブガブ飲むと体調崩すと思われます。

↓光に透かして見ると宝石のよう!

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搾りたて醤油で卵かけごはん

さあ、時間も昼時。みんなお腹ペコペコです。

なんと!!

白米キター。

そこに搾りたての醤油ときたら...?

当然卵かけご飯でしょ!!!

ぬー。

黄金の輝き。

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息子、食す。

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ううんまああ♥

ほんのり甘みがあって、口の中にじわあっと旨みが広がります。

醤油って、こんな味だったんだ!

いつものお米、いつもの卵が醤油一つでこんなに変わるとは。

参加者さんたちとも話してたのですが、今時スーパーに売ってるもののほとんどは、カタカナ表記で正体をくらませた、少なくとも"カラダにやさしい"とは言えないもの(=添加物)がたっぷり。
その味に慣れてしまった私たちは本来の"美味しい"を忘れかけてる。
忘れかけてるくらいならまだいいほうかもしれない。

"ホンモノ"を食べても美味しいと感じなくなってしまったらどうしよう。
子供にもなるべくなら"ホンモノ"を覚えて成長してほしい。

子供の事になると真剣に考えられるのに自分の事になるとおざなりにしがちなのはどうしてなんだろうね。

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伝統を特別な事と思わない

醤油絞り・食事会をおえ、片付けも勿論体験のうち。

見て!搾り終わった醤油カス!
こんなにパラッパラ。
まるでふりかけみたいになっちゃった。

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搾りかすを全部出し終わったら、醤油袋をじゃぶじゃぶ洗います。
イソフラボン効果で手がすべすべになりました。

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***

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重たい鍋や船を軽トラに積みながら

『この軽トラ一台でどこにでも醤油搾りに行きますよ!』と笑う木村さん。

"伝統を特別な事にしない"

それが伝統を引き継ぐ秘訣なんだとか。
特別な事ってもてはやされるかもしれないけど、根付いてはいかない。

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醤油搾り文化が途絶えても、私たちの生活にはきっとほとんどと言っていいほど支障はないでしょう、正直。

でも、先人からのバトンを私たちの世代で途絶えさせていいのか?

ただ、一人称単数で考えたらそれでもいいのかもしれない。
でも過去と未来を繋げる「点」をして私たちをとらえたら、私たちは大変な失態を犯しているって言ったら大袈裟かな。

私たちの役目っていうのかな、ただ生まれてきてそれで終わるでもいいんだけど、
"繋がり"を残して役目を終えるって、なんだか体温を感じるような、あったかい気持ちになります。

全員が〇〇職人になる必要はないと思う。
例えば私ハナザワに出来ることはこうして微々たる力だけど、体験したことを文字に起こすこと。

ひとりひとり、出来ることって何かあるんじゃないかな。

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きょなん町地域おこし協力隊ハナザワ

きょなん町地域おこし協力隊ハナザワ

千葉県南房総地域

2017年10月、東京都より家族3人(夫、私、息子2才)で鋸南町に移住。 旦那はカナダ人の国際結婚。 職業はヨガインストラクター。 カレーが大好き過ぎて「地球の歩き方」片手にインドへ。そのままの流れで現地の旅行代理店に就職。20代の半ば4年間をインドで過ごす。 帰国後、日本で今の旦那と出会いカナダへ移住。寒くて1年でギブアップ。6㎏の脂肪を蓄え帰国。 帰国後は東京に4年、出産を機に忙しすぎる生活に疑問を感じ、移住を決意。 鋸南町の地域おこし協力隊の募集を見つけ応募したところ見事当選。現在に至る。 家族の会話は日本語と英語によるまぜこぜコミュニケーション。 いなか暮らし経験ゼロ、日本語喋れない主人とイヤイヤ期真っ只中の息子と鋸南町で過ごす日常を紹介していきます。

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