狩猟って残酷?野生動物と人間、共存について考える

どーもこんにちはー。ハナザワです。

注射、採血、出血、とりあえず血をみるともともと低めの血圧が更に急降下します。
流血系の話題は苦手ですが、今日は農村集落に住むのであれば決して避けては通れないお話。
イノシシ・シカによる町内の被害・対策・今後の課題などをまとめてみました。

有害鳥獣とは?

有害鳥獣。聞きなれない言葉です。これで"ゆうがいちょうじゅう"と読みます。
勝手な話ですが、人間の日常生活に生命的・経済的に危害・損害を与える主にクマ、シカ、イノシシ、カラス等をこう呼びます。
鋸南町は主にイノシシ・鹿による、農家の人が作った作物や水仙の被害が報告されております。


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町内のイノシシ・シカ被害の現状

農業初心者の私からしてみたら、農家の人の仕事って、農作物を作って収穫して販売って事かと思ってました。
まさか台風などの自然災害の他に動物からの被害もあったとは寝耳に水。


↓嫌がらせとしか思えない、菜花の踏み倒し

ナバナの踏み倒し.jpg

↓ストレスが溜まってたのでしょうか?
樹木の皮が剥がされ、木々も倒されています。

ハラン食害&樹皮剥ぎ.jpg

↓水仙が踏み倒され、そして花が食べられてる。
奴らはとりあえずます、踏み倒すところから始めるようですね。

日本水仙の食害.jpg

↓い、稲が!!!

稲の踏み倒し.JPG

予想以上に被害は深刻です。

農作物だけじゃない。町内の被害

衝撃のニュース↓

猪aaニュース.jpg

ANN二ュースより引用

線路に入り込んだイノシシに衝突して列車が2時間、ストップしました。

 JR東日本によりますと、13日午後10時前、千葉県鋸南町で、JR内房線の下り列車が線路内に入り込んだイノシシと衝突しました。列車は急停車しましたが、乗客乗員約50人にけがはありませんでした。イノシシはその場から走り去ったということです。この事故で、列車はブレーキの一部が壊れ、約2時間にわたってストップしました。鋸南町では、イノシシが出没することは多いものの、こうした事故は珍しいということです。


イノシシVS列車

で、イノシシが勝ったんだね。ブレーキが負け。

珍しい事件とはいえ、今後また同じことが起こらないとは言い切れないし、今回は幸いケガ人は出なかったけど、この先も大丈夫なんて言う保証も勿論ない。
そもそも何でイノシシが人里まで降りてきたかって、目的は食料。それだけ山が痩せてきてしまってるという事実。

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地域おこし協力隊の活動

鋸南町では私の他、2名の地域おこし協力隊が在籍しております。
担当は有害鳥獣対策。

有害鳥獣に関しては上記で説明した通り。


この日は罠の種類一つである、くくりわなを協力隊の方に見せて頂きました。


町内の山を車でずんずん上って行きます。

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↓オゾン層を感じるっっ!

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↓これはシカの被害。鋸南名物の水仙の花。見事に根元からかじられております。

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↓まだ新しいシカの糞。

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ここ最近まで出入りしてたよう。

んー何だか私、探偵気分!!

↓これが罠。昔からこの町に伝わる伝統的な方法。

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隊員が手に持ってる直径20センチくらいの輪っかを写真左側の深さ15㎝くらいの落とし穴にセットします。
獲物が落とし穴に片足を突っ込むと、輪っかがパカっと足を挟み捕獲成功。
その後、銃やヤリで射止めます。

隊員曰く、鋸南の罠技術の水準は高く全国のハンターの間でも有名なんだそう。
ただ、これの技術を継承していく若者が減ってきているというかほぼ皆無に等しく、どうやって次の世代に繋いでいくかが課題なんだとか。

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↓罠がばれないように枯れ葉や木の枝で隠して、さらに罠に誘導するために罠周辺の足場を悪くしておきます。

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↓罠が完成したら近くに看板を立てることも忘れずに。

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この看板を打ち付ける音が罠を仕掛けた合図のように聞こえました。
因みに人間が掛かった報告は今のところないようです。

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↓遠くから罠を撮影した様子。
どこに仕掛けたか全くわからない。

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罠は勝手どこでも仕掛けていいものではなく、自分の陣地と言いましょうか、かけられる場所は決まっております。
罠をかけた後は近所の方への声かけも忘れずに。

こまめに罠の見回りもして、なるべく罠にかかった後の獣の恐怖の時間を短くしてあげる配慮も大切です。

獲物がかかった!

翌日、隊員の方から罠にシカがかかったと報告が。
早速捕獲現場に同行させていただくことに。

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隊員2名、この山を管理する近所のおばあさんと山へ入ります。


↓いました。1歳くらいの小鹿です。片足に罠がかかってます。

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↓槍で射止めます。

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ごめんなさい。捕獲の瞬間などは辛くて撮影ができませんでした。

なるべく早く、なるべく痛くない方法で殺める。
仕方ない事なんだと自分に言い聞かせてみる。
このまま、獣の数が増えれば自然界のバランスが崩れるし、作物が荒らされることによって、山が痩せていき土砂崩れなどの災害も招きかねない。

捕獲した獲物は軽トラで解体所に運びます。
捕獲証明などの獲物の撮影を済まし、獲物は解体・または処分されます。

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狩猟への理解を深める取り組み

今回捕獲の現場に同行してみて、想像以上にショックを受けてる自分に驚きました。
地域の方々が鳥獣被害に困ってる事も、こういう活動があることも充分知ってるつもりでいましたが、
それはホントに知ってるつもりに過ぎなかったと反省。

生き物の命を奪わなくてはいけない事は辛いです。ただ、私たちが生きていくためには仕方のない事なのかもしれません。
簡単に白黒答えを出せるような話ではないにせよ、生き物を尊重する気持ちは忘れてはいけない。
だから必要以上の数は捕獲しない事はもちろんの事、
鋸南町では捕獲したイノシシやシカの命を最後まで頂ききる。そんな事も、生き物たちの供養に繋がるのかと思います。

鋸南町の活動

狩猟への理解を深めるために、毎年"狩猟エコツアー"を開催しております。
お陰様で毎回満員御礼の人気イベントです。

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↓以下はけもの道トレッキングの様子。
町内のハンターさんから被害の現状の話を聞きます。

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↓実際に獣が通る道を歩いてみます。
写真は"箱ワナ"というタイプの罠。
織の中のエサ(ぬかやミカンなど)でおびき寄せて捕獲します。

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100キロ級の獲物がつかまることもあるので、檻のサイズは大きめです。

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↓捕獲した獲物を解体する"解体ワークショップ"。
これが"非日常体験"とされて都会にすむ若者(特に女子!)に人気なんだとか。

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カラダの部位、内臓の説明などもしてくれます。(私は絶対参加ムリ...)

また、町内で捕獲されたシカ・イノシシの肉を使って作る"ジビエ料理ワークショップ"も大人気。
ジビエ肉料理の第一人者の先生が長野県からわざわざ来てくれたんだって。
フランス料理×イノシシ・シカ肉って意外な組み合わせがおもしろい。

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狩猟は免許も技術も必要ですし、誰でもできることではないので、
どうしても自分がかかわらない事には「関係ない事」で片付けられがちです。
しかし農村集落に住む人々にとっては深刻な問題。
その事実をまずは町外・県外の人々に"知ってもらう"事から。

↓町内移住者の方が素敵な動画を製作してくださいました。

鋸南町 「けもの道トレッキング」2018前編 - YouTube.url
閲覧注意 獣害イノシシ止め刺し 鋸南町「けもの道トレッキング」2018後編 - YouTube

※↑後編は捕獲された動物を止め刺しと言って捕獲された野生動物を殺すシーン等が含まれますのでご注意ください。
製作者の方もこのシーンを公開するか大いに悩まれたそうですが、深刻な町内の被害、現状を知ってもらう事、そして猟への理解を深めてもらう事・知ってもらいたい願いなどから公開を決めたそうです。ご理解いただければ幸いです。

↓鋸南の桜スポットなどの紹介♪

南房総鋸南町お花見情報2018 佐久間ダム湖から津森山 頼朝桜とメジロ2018-2月 - YouTube

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今後の課題・まとめ

最初、"有害鳥獣"という言葉を聞いた時は、正直「私には関係のない話」だと思いました。
銃をやるわけでもないし、日常的にジビエを食べるわけでもないですし。
それに何より、農地を持ってるわけではないので"困ってない"!
この理由が一番大きかったと思います。

でも"自分が困ってない事=問題ではない"それって本当?

動物愛護の面からしても、人間の勝手な都合で安易に生き物の命を殺めてしまう事は果たしていいのだろうか?
勿論、命は大切にって事は子どもの時によーく大人に言い聞かせられたし、答えの出ない問いだと思います。

共存という暮らし方

お互いを尊重しあいながら生きていく。


作物全部を荒らされてしまっては困るけど、ここまでは人間の陣地、ここから先はあなたたちのもの。
私たちもこの先は立ち入らないからあなたたちもよろしくね。
あなたたちには、日本語は通じないから柵を張らせてもらうね。
約束が守れなかった場合は残念だけど、命を頂くよ。

そんな風にお互いを尊重しあいながら同じ地球の上でうまく付き合っていけたらと思います。

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きょなん町地域おこし協力隊ハナザワ

きょなん町地域おこし協力隊ハナザワ

千葉県南房総地域

2017年10月、東京都より家族3人(夫、私、息子2才)で鋸南町に移住。 旦那はカナダ人の国際結婚。 職業はヨガインストラクター。 カレーが大好き過ぎて「地球の歩き方」片手にインドへ。そのままの流れで現地の旅行代理店に就職。20代の半ば4年間をインドで過ごす。 帰国後、日本で今の旦那と出会いカナダへ移住。寒くて1年でギブアップ。6㎏の脂肪を蓄え帰国。 帰国後は東京に4年、出産を機に忙しすぎる生活に疑問を感じ、移住を決意。 鋸南町の地域おこし協力隊の募集を見つけ応募したところ見事当選。現在に至る。 家族の会話は日本語と英語によるまぜこぜコミュニケーション。 いなか暮らし経験ゼロ、日本語喋れない主人とイヤイヤ期真っ只中の息子と鋸南町で過ごす日常を紹介していきます。

この投稿者の移住ブログ

千葉県南房総地域(館山市、鴨川市、南房総市、鋸南町)の移住ブログ