地域おこし協力隊の受け入れを検討中の自治体様へ一言。
おはようございまーす。ハナザワでーす。
昨日は冷蔵庫のプリンを3個食べてしまい、自己嫌悪です。
さて、先日は千葉県幕張国際研修センターにて地域おこし協力隊交流研修会に参加しました。
現在、鋸南町の協力隊は私を含め3人。
私の担当は移住定住促進とヨガ。(という訳で鋸南町情報をこうしてブログで発信しております。)
他の二人の隊員は猪や鹿など狩猟対策を担当しております。
ほんでだね。
その研修会の中で協力隊たちの交流会の時間があったんだけど、
座談会でみんなの悩みや不安・疑問なんかを話し合ったんだ。
ざっくりその中で出た悩みは以下の通り。
① 自分が思ってるやりたい事と自治体がやってほしい事とがうまく嚙み合ってない。
② 3年後の進路が不安
時間も限られていたので、あまり深く掘り下げていく作業は出来なかったんだけど、
どの地域で、どの活動をしてても出てくる鉄板の共通の悩みなんだなーと感じました。
まず、① 嚙み合わない件について。
私の例で話をすると、協力隊って誰でもなれるわけでなく、
書類審査や面接を重ね、その中で選ばれてやっとなれるもの。
そりゃ嬉しいですよ!
そして自分の力でこれから地域を盛り上げていくんだってなったら...
そりゃ夢も妄想も希望も広がります。
そしていざ!隊員として活動を始めてみると、
頭の中で描いていたやりたい事と、実際の活動内容がかみ合わなくなってくるんですよ。
何故やりたい事と活動内容がかみ合わないのか?
今でこそ協力隊の認知度が上がり、全国各地に増えてきましたが、
私が見たり聞いたり体験した上で感じたのは
基本的に採用側の自治体さんは協力隊採用が初めてだったりして、
何から始めていいかわからない。
協力隊は総務省の企画(?)ですが、何せ"地域をおこす"の定義が広すぎる。
当然っちゃ当然なんだろうけど地方によって課題も違うんでそこまで定義を尖らせられないのかもしれません。
皮肉な話だよねー。
自由過ぎて、縛りがなさ過ぎて逆に身動きが取れなくなってしまうなんて。
お役所関係者さんは基本的に前例がない事に弱いようです。
「弱い」というのはこの場合、上記の動きが取れないという事。
「協力隊×お役所」というコラボレーションは
とにかく速度が遅い。遅い上に遅い。
そしてエネルギーの有り余ってる、我ら隊員はやりたい事が中々進んで行かない、このジレンマにストレスを感じ始めるわけです。
隊員全員があてはまるわけではないけれど、まー私はせっかちだからね、
パッ、パッ、パーーーと事が進んで行かないと嫌なんですよ(笑)
【鋸南町のケース】
私の担当はY氏という男性の職員さんなんですが、私たちで例えて言うなら
「ハナザワがアクセル・Y氏がブレーキ」
これホント、我ながらいい例えだと思うんですよ。
隊員はアクセル、お役所はブレーキ
です。
・隊員はブレーキかけながら車を運転するのに対して
・お役所はブレーキをかけてるのに車が勝手に進んでく
そんなイメージです。
私の場合、週1のミーティングでこのギャップを徐々に埋めていくことが出来ましたが、
今でもまだメンテナンスをし続けていく必要があるなと感じております。
② 3年後の進路の不安について
この件につきましては、セミナーの中でも講師の方からお話がありました。
バックキャスティングと言って、3年後の協力隊任期終了後の自分の姿を就任時に設定し、(=ゴール)
協力隊期間中はそのゴールに向かって準備を進めるというやり方です。
ざっくりグラフを再現してみました。
頭ではバックキャスティング法を理解していても、
実際はその逆 "現在の延長線上に想定させる未来" (灰色の矢印)に偏りがちではないでしょうか?
どっちがいい・悪いって話でもないんですが、協力隊の場合、ゴールから逆算していくやり方の方が
迷いが少なく最短でたどり着ける気がします。
協力隊成功の秘訣
協力隊が2年、3年と続けていけるかどうかは担当者さん次第じゃないかと私は考えております。
私の担当がY氏でなかったら、続いてたかもわかりません、ぶっちゃけ。
こんなこと書いちゃうと自治体の方、すごくプレッシャーを感じちゃうかと思いますが
別にカリスマ上司を求めてるわけではないですし、何でもハイハイわがままを聞いてくれる上司が欲しいわけでもないです。
じゃあそのY氏がどんな人かといいますと
"とにかく話を真剣に聞いてくれる"
Y氏を持ち上げるわけではないですけど、どんな小さな疑問にもちゃんと答えてくれます。
だって、この町に来たばかりだもん、わかんない事だらけだし、言葉を覚えた子供のように私は毎日質問しまくりました。
何で人口減ってるの?
何で合併しなかったの?
何で若い人でてっちゃうの?
何で鋸南っていう名前なの?
何で銀行こんなに多いの?
何でみんな長生きなの?
何で何で何でーーー????
そんなんネットで検索すれば出てくるじゃん...って内容だってやっぱり長くここに住んでる人から聞く生の声ってネットの不特定多数の人々の情報より何千倍もリアル。
知らない街に飛び込んでいくっておもしろそうに見えて、実は本人も気付いてない位 心も体も緊張してるもの。
(私はその緊張の糸が4か月目のある日、ぷつんと切れたようで高熱にうなされました。)
その緊張ってもしかしたらだけど、誰かと話すことによってかなり緩和されていくんじゃないかな。
他の自治体さんのやり方は詳しく把握しておりませんが、
鋸南町の場合はそれぞれのセクターに担当が一人付き、その方と話し合いながら活動を進めています。
現在は1年目なのでそのような形をとっていますが、ゆくゆくは独立に向けて担当者さんの手からも少しずつ離れ
問題を自分で解決できるようになっていくのが望ましいと私と担当のY氏は考えております。
【鋸南町協力隊のケース】
担当者(Y氏)とのミーティングは週に一度・協力隊全体の会議は毎月最初の木曜日に開催します。
全体会議の様子↓
全体会議では以下のような事を話します。
・最近行った活動
・今後の直近の予定
・今の活動が3年後のビジョンに結びついてるか
・日常生活での不安・心配事など
内容は特に決めてるわけでもないのですが、話していくとだいたい毎回こんな感じです。
会議は時には笑いもはさみながら気さくな感じに進められます。
なんかこの辺の風穴を開けておくことって案外重要な気がします。
【協力隊採用検討中の自治体の方へ、私が思ってる事まとめ】
・協力隊希望者は夢と憧れをもって移住してきます。
⇒その向上心をつぶさないで下さい。一気にやる気失せます。
・協力隊は役場のバイトじゃありません。
⇒言われたことばっかりやってると退屈です。3年後はそんで解雇されるんですからもっと先に繋がることをやらせてください。
・協力隊は初めての土地での暮らしにおっかなびっくりしてます。
⇒仕事面だけでなく、生活面も気にかけてください。
因みにハナザワの担当Y氏は、上司であり、この町で一番最初に出来た"友達"です。
なんか好き勝手言いたい事べらべら喋りすぎた気がします。(反省)
これはあくまで、とある小さな田舎町のとある協力隊の意見に過ぎないので
協力隊全員が同じ考えでは全くもってないです。
「こんな事考えてる隊員もいるんだなー」程度に思っていてくれればいいです。
ただ、せっかく何かのご縁があってなることが出来た協力隊。
楽しく元気に、最後には「この街に来てよかったなー」と思って任期終了したいです。