信の一字が千の味...「刈穂の酒蔵」へ行ってきました。(大仙市神岡地域)

こんにちは。

4月1日から地域おこし協力隊員になりました、村山涼です。

大仙市に暮らしはじめて、あっというまに半月......。

「最近ずいぶん暖かくなったなぁ~」と感じながらも、

お米を研ぐ時の水がまだまだ冷たくて、自宅の台所でひとり悶絶しています

 

......お米と水、といえば。

大仙市の名物のひとつに、「お酒」がありますよね~!

先日、私も渡邉隊員に同行させていただいて、

大仙市・神岡地域にある「刈穂の酒蔵」を、見学してきました!

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刈穂の酒蔵・杜氏(とうじ、とじ)の斎藤泰幸(さいとう やすゆき)さん。左側がガチガチに緊張している私。

大正2(1914)年に、神宮寺酒造として開業した「刈穂の酒蔵」は、

大仙市内を流れる雄物川(おものがわ)のほとりに位置しており、

正面には羽州街道の旧道が通っています。

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酒蔵が見える河川敷はとても良い眺めです。近くにある水門も、酒蔵風の建物になっていました。 

「100年以上の歴史があるのかぁ~」と、感心していると、

「せっかく来たんだから!」と、杜氏の斎藤さんが

蔵の中を案内してくださることに。

酒蔵の歴史や、清酒が出来るまでの工程、

お酒づくりで大切にしていることなど、

ひとつひとつ、教えていただきました。

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1,500㎏(!)のお米を1日で蒸すことができる、大きな「和釜」です!

洗米したお米をここで蒸し上げ、麹菌を植えるための「蒸米(じょうまい)」をつくります。

一瞬湯船と見間違えてしまいそうなほどの大きさに、呆気にとられてしまいました。

 

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醪(もろみ)の温度調整を行うサーマルタンクが、ずらりと並んだ蔵の中。

数多くの醪を管理するだけでも大変そうなのに、その温度もしっかり調整管理しています。

素人にはとても真似できない、細かい目配り、気配りが欠かせないんですね。

 

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刈穂の酒蔵には「滄溟海」(そうめいかい)という大きな蔵があります。

この蔵は嘉永3(1850)年の建築で、黒船来航の3年前に建てられていたものです。

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嘉永三歳 庚戌(かのえいぬ) と記された、今(2017年)から167年前の棟札(むなふだ)も保存されています。

「滄溟海」の3文字には、すべて、氵(さんずい)が付いておりという字で蔵を火事から守る

「火伏(ひぶせ)」の意味があります。

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仕込み蔵の外壁にも、火災防止を祈願して、「水」の文字が彫られていました。

現代のように消火の設備が整っていなかった時代。「蔵が無事に火災を免れますように」という

職人さんたちの願いが伝わってくるようですね。

 

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神棚がある仕込み蔵の天井です。かつてはここにも、火災防止の願掛けで、梁(はり)に荒縄が締めてあったそうです。

よく見ると、縞模様の痕跡が残っているのが分かります。

いったい、どれほど大きな縄だったのでしょうか......。

もし出来るなら、当時にさかのぼって、見てみたいと思いました。

 

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仕込みで使われるタンクの内部を、上から覗かせて頂きました。

ここでは4日間かけて、三段仕込みを行い、ゆっくりと酵母の繁殖を促しています。

とにかく早く、たくさん作れば良いというのではなく、

ていねいに、じっくりと仕込むことによって、美味しいお酒が出来てくるんですね。

 

刈穂では、「大吟醸」「純米酒」など、様々な日本酒が作られていますが、

ほんの僅かな条件の変化でも、味に影響が出てきてしまうそうです。

「酒づくりは思うようにいかないが、トラブルや障害を乗り越えた先に、達成感がある。

何でも思うようにいってしまえば、楽しみはない」と、斎藤さんは教えてくれました。

お酒づくりに携わる人たちには、

「酒屋万流(さかやばんりゅう)」という言葉があるそうです。

自分で作っている。人のマネはしたくない。

自分の道で。人の歩いた後を、歩かない。

 

気候条件。お米。新しく入ってくる若い人を教える......など、

毎年様々な変化があって、同じものをつくることが難しい中、

前の年より良いものを作っていく。「自分も蔵人と成長していく」。

 

穏やかな表情を浮かべながら、そう話して下さった斎藤さん。

お酒づくりだけに限らず、どのような仕事をする上でも欠かすことのできない

よりよいものを生み出そうとする向上心や、

伝統を大切にしながら、新しいものごとに挑戦していく姿勢の大切さを

刈穂の酒蔵で学ぶことができました。

 

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斎藤さんから、「信の一字が千の味」という言葉を頂きました。

 

誰かの真似をするのではなく、自分の信念を持ち、信義を重んじることで、

他の誰のものでもない、自分ならではの味が出てくる、という意味でしょうか。

緊張する中での取材でしたが、

斎藤さんに背中を強く押していただいたような気持ちがして、嬉しく思いました。

 

突然の新米(?)協力隊員の訪問にもかかわらず、

あたたかく迎えて頂いた、刈穂の酒蔵の皆様。

お時間をいただき、ありがとうございました!

村山涼

村山涼

秋田県大仙市

都会の真ん中で「来世はだいせんの協力隊にしてくださーい!!!」と叫んでいたら、平成29年4月から大仙市地域おこし協力隊員になりました。涼です。 東京生まれ、千葉育ちの26歳。大仙市の皆さんに名前を覚えてもらえるよう、そして、このまちの魅力が大勢の人に伝わるよう、がんばって活動していきたいと思います。よろしくお願いします。

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